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2022年11月23日

日本全国ダム巡りの旅―中国地方―

folder_open 全国ダム巡り 水密ゴム

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共同ゴムは60年以上に渡り全国各地のダムや水門に水密ゴム(止水ゴム)を納入してまいりました。

弊社が仕事として携わった物件を中心に全国各地のダムを訪れた訪問記をレポートいたします。

第1回―中国地方―

第1回の今回は島根県と岡山県を巡る旅です。

島根県の「三成ダム」のお仕事を新規でご注文いただいたご縁をきっかけとして、弊社の関わった3ダム「三成ダム」「尾原ダム」「苫田ダム」を訪問してきました。(訪問ルートは上図の地図の青い矢印です)

各ダムの案内

三成ダム

三成ダムは島根県の県北に位置し、平成27年度の土木学会選奨土木遺産に認定されました。昭和29年3月に本体工事が完成した日本最古のアーチダムであり、斐伊川に建設されています。斐伊川は過去何度も大雨による氾濫を繰り返し、その洪水の様子から出雲神話に登場する「八岐大蛇」伝説の元になったとも言われています。

2枚目の写真中央2本のゲート(実際には3本あり手前に隠れています)右手側の水密ゴム取り換え工事を行いました。見学当日には取り換え工事は完了しており現在も無事運営されています。

大きく迫力があり、この時期は紅葉が美しく水と紅葉のコントラストは絶景でした。

尾原ダム

尾原ダムは同じく島根県北にある2012年完成の比較的新しい重力式コンクリートダムです。クレストラジアルゲートや高圧スライドゲートなどを有しており、洪水調整、水道用水の供給の他にも河川環境の保全にも使われています。「地域に開かれたダム事業」に指定されており、サイクリングコース・ボート競技・花火などが催されているほか、ダム湖は「さくらおろち湖」と呼ばれて親しまれています。

訪れた当日は非常に静かで放流していないと思っていましたが、まったく水の流れのないわけではなく、実は近隣住民への騒音防止目的として洪水時に一次減勢池内に放流する方式(水中放流方式)の全管路型放流管を採用し、放流しているそうです。

2枚目の中央にあるゲートには水密ゴムが使われております。弊社の納品したゴムも主にこのようなゲートで使用されています。

苫田ダム

最後は苫田ダム。こちらは上記2つと違って岡山県津山市にある大きなダムです。

名前の由来は旧村である苫田村に由来しているそうです。重力式コンクリートダムの非常用洪水吐としては国内初となる「全面自由越流頂でラビリンス型」を採用しています。日本では珍しい「引張りラジアルゲート」を採用しています。

苫田ダムは内部に入ることでゲートと放流を至近距離で見ることができるなど見ごたえ十分です。時期によってはライトアップをしている時期もあり、昼と夜でまた違った顔をうかがうことができます。

 

写真のようにゲートも見やすくなっています。もちろん弊社納入の水密ゴムもこのゲートについております。

紅葉が美しくダム湖に反射し、色々な景色の楽しみ方をすることができます。

まとめ

ダムの近隣にも住民が住んでおり、昔は河川の氾濫によって大きな被害を受けたり、場所によっては水不足が発生したために食料が作れなかったりといった大きな被害のあった時代もありました。そうした背景から日本でも幾多のダムが作られ、数多くの役割が与えられました。洪水被害を抑えたり、飲み水の確保をしたり、自然の保全に使われたり、住民の憩いの場になったりといった機能を果たしています。

弊社も水密ゴムという要である製品を通して関わっていることは誇らしいことであると同時に、まだまだやれることがあるのではないかと考えさせられました。普段目にすることのない「水密ゴム」のように、縁の下の力持ちとして今後も頑張っていきたいと感じました。