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2021年9月29日

水都・大阪(2)大阪の街と水門—災害から大阪を守る—

folder_open 水密ゴム 水都・大阪

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大阪は古くから、水都や水の都などと呼ばれてきました。

大阪は大正区に店をかまえる共同ゴム。水と切り離せない大阪にあり、水と深く関わる仕事をしてきた共同ゴムが、水と大阪の深いつながりについて語っていきます。

今回は、災害を未然に防ぐため、ひそかにそして頼もしく大阪市民を守り続ける水門について触れたいと思います。

水門とは

河川を横断するかたちで設けられる施設です。

ダムとは違ってふだんはゲートを開けていますが、洪水時にはゲートを閉めて流水を制御する機能を果たします。ゲートには水密ゴムが取り付けられていて、水が漏れ出るのを防ぐ働きをします。

大阪の代表的な水門

大阪には、代表的なものだけでも大小20門以上の水門があります。

トップにある大阪市内の地図には、弊社がこれまで関わってきた水門などの設備を記載しております。

 

中でも最も特徴的なのが、アーチ型をした3つの大水門、安治川水門・尻無川水門・木津川水門でしょう。

半円形をした水門はバイザゲートとも呼ばれ、日本でもここ大阪にしかない形状です。船が通行できるように考えられた半円形のアーチは、水都・大阪にふさわしい形状といえるでしょう。

共同ゴムは安治川水門の設計時から関わり続け、1970年(昭和45年)の完成以来、水密ゴムの交換を50年以上に渡り担わせていただいております。

災害を防いできた水門

安治川、尻無川、木津川にかかるこの3大水門を筆頭とする大小水門がなければ、大阪市街地は大災害に見舞われていた可能性がありました。2018年9月の台風21号、大阪は観測史上最高となる高潮を記録しました。かつての大阪に大きな人的災害や浸水被害をもたらした、室戸台風、ジェーン台風、第二室戸台風をしのぐ潮位でしたが、大阪市街地の浸水被害はありませんでした。

3大水門を始めとした設備が大阪の街を守ったからです。

その経済効果は19兆円との試算も出ています。

資料

「なお、大阪湾高潮対策や、淀川防潮堤鉄扉(陸閘(りっこう))、大阪府三大水門(安治川(あじがわ)水門、尻無川水門、木津川水門)等の適切な開閉操作により、大阪市街地は高潮による浸水被害を回避した。」(内閣府「令和元年版 防災白書|特集 第1章 第1節 1-3 平成30年台風第21号による災害」から

その他の水門

上記のように大阪市内を災害から守る働きをするのは3大水門だけではありません。

これからはそうした水門や設備を紹介していきたいと思っております。