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2021年5月10日

水密ゴムとは―日々の暮らしを見えないところで支える特殊ゴム―

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安治川大水門

これから新たにコラムを始めるにあたり、まずは弊社が60年以上に渡り取り扱ってきた水密ゴム(止水ゴム)から取り上げていきたいと思います。

日常生活で聞きなれないゴム製品が、われわれの暮らしの中にあってどのような役割を果たしてきたのかを、これからだんだんと語っていきたいと考えております。

水密ゴムとは

言葉の意味

広辞苑によると、水密とは、「機械・装置などで、隙間などから水が漏れないようになっている状態」と載っています。この定義に沿って言うと、水密ゴムとは隙間から水が漏れないような場所で使うゴム製品のことをいうわけです。

使用場所

水が漏れないように隙間をふさぐゴム部品というのは家庭の中にもたくさん見つかることでしょう。(キッチン、トイレ、シャワー、などなど)。そうした家庭用の製品も重要な役割を担っているのですが、ここではもっと過酷な環境下で使われる大型のものを水密ゴムと呼ばせてもらいます。

過酷な環境にある場所とはどこかと具体的に言えば、ダム、堰、水門、浄水場、など。

高水圧、紫外線、大気、水中などに常にさらされる、ゴムにとっては非常にタフな環境下であり、さらに十数年に渡り使用に耐えうる耐久性も要求される場所となります。

水密ゴムが果たしてきた役割

もともと日本列島は水とともに生き、そして時に戦ってきた歴史があります。

そうした災害発生時に大きな役割を担うのが、ダムや水門などの水量調整の機能を持つ設備です。ダム・水門には水量を調整するゲートという装置があります。そのゲートに求められる最も基本的な性能が水を止める役割としての水密性であり、水密部分に使われるのが水密ゴムとなります。

つまり、防災や発電のために水の流れを調整する際、大前提として求められる水密性という機能を担う重要部品が、水密ゴムなのです。

一般的なゴム製品との違いは、

・決められた諸条件(物性)を満足させるための特別な材料が必要

・大型の製品が多くまた各ゲートの形状にあわせるため製作にノウハウが必要

・製作後に厳格な検査のクリアが必要

などです。

(ただ、ほとんど目に触れることはありません…。トップの写真の水門の前面下部分、うっすらと見える黒いラインが水密ゴムとなります)

共同ゴムと水密ゴムの関わり

弊社は昭和30年代に取り扱いをはじめ、主に日立造船㈱様に製品を納入するというかたちで全国のダムや水門に関わらせていただきました。大阪の街を50年以上に渡って守り続けてきた安治川大水門、日本一の黒部ダム、などの重要な案件にも参加させていただいております。

この間、新設ダムが減るとともに水密ゴムを取り扱うメーカーも減り続けてきました。弊社の協力メーカーもここ数十年の間に数社が取り扱いをやめております。

しかし近年の台風の大型化や集中豪雨の増加によって大きな水害に見舞われるリスクはますます高まるだけに、今の時代にあっても必要な存在であり続けるでしょう。弊社は60年以上に渡って蓄積してきた知識・経験・ノウハウをもとに、今後も水密ゴムを供給していきたいと考えております。